森林整備

間伐のススメ

あなたの山の未来と木材の有効活用のために

思い当たる節はありませんか?
あなたの山はいかがですか?

  • 〇〇谷に父、祖父が植えた山があるのは知っているけど境界はどこだろう?

  • 場所は知ってるけど、もう何十年も入ったことはない。どんな状態になってるんだろう?

  • こんなに木材が安いのに手をかける必要なんてないと思う・・・。

  • 水害が多いのは伐採するからでしょ?最初から伐らずにそのままにしておけばいいんじゃないの?

  • 「間伐」が大事だとよく聞くけど、どうせ金にならないし、逆にかかるかもしれない。

間伐の手遅れ林がこのような被害にあっています

右の図は県内のスギ人工林の雪害の危険度を現すもので赤色、紫色が最も雪害を受けやすいことを表しています。この付近では下呂市、郡上市、関市の大部分が含まれています。
このような被害は何十年に1度という頻度でしか起こりませんが、スギやヒノキの人工林は、その何十年もかかって成長します。つまり当地方では伐採時期までには必ずこのような被害に遭う確率が極めて高いと言えます。

近年の地球温暖化に伴い、コース・大きさともに今後日本列島に被害をもたらす台風が増えるであろうと言われています。伊勢湾台風以来、大きな被害をもたらした台風はあまりありませんでしたが、ここ数年また日本に上陸する台風が増えてきている感じがしませんか?
台風により風に揉まれた木は年輪同士が離れ、ちょうど肉離れを起こした状態になり、製材するとバラバラになってしまうことがあります。このため台風の被害地周辺から出材された木材は健全な木であっても業者は極端に嫌うため材価は大きく下がります。

平成16年台風23号被害

でも全ての木がこのような被害を受けるわけではありません。
適切な時期に間伐された林はしっかりと幹周りと根を伸ばし風雪に耐えることができます。

森林は放っておけば価値が上がるか?


間伐することにより幹が太くしっかりした健全な木に成長します。
本数は減りますが根をしっかりと伸ばすことにより風水・雪害にも強い森林になります。成長が良くなることで本数の減少以上に材積が増え、収益もアップします。
下草も生え、大雨が降っても流出しにくい強い土壌を作ります。

間伐を適切に行った森林です。

下枝が枯れ上がり、ヒョロヒョロと細長い木ばかりになってしまいます。
こうなると風雪害を受けやすく、平成14年・17年末の雪害のような壊滅的な被害を蒙ることがあります。
また枯れ枝から「枝虫」が入ることがあり、それにより変色した材は市場価値を大きく下回ってしまいます。

間伐を一度も行っていない森林です。

間伐の重要性はわかりましたが、
まずなにをしたらいいの?

まず場所の確認を行います。他の所有者との境界や森林の状況などを確認します。

STEP.01

現場のデータが必要なので、森林基本図(地図)と森林簿(位置、面積や林齢などの詳細)の写しを見せていただきます。
※ご自宅、あるいは属されている造成組合等にない場合は市役所からいただくことになりますので、弊社が代理人として写しをもらうための委任状が必要になります。

STEP.02

所有者立ち会いのもと、対象となる現場の林地の状況や協会などの確認を行います。
所有者ご本人が立ち会えない場合は、造成組合長さんなど日頃森林管理を委託している方でも結構です。

STEP.03

現地山林に入り、本数(混み具合)や成長状況、形状などを調査の上、間伐の方法を検討します。

所有されている山林だけでは施業を実施することが難しい場合があります。その場合は他の複数の所有者の方の森林を取りまとめることで、所有者の皆さんのご負担をお掛けせず効率的な施業を行うことができます。
これを「森林を集約化する」といいます。集約化の作業については弊社または下呂森林集約協議会で行います。

間伐の方法はどうやって決めるのでしょうか?

間伐の方法を検討します。
一口に「間伐」といってもさまざまな方法があるので、木の成長具合、立地条件により所有者の方とご相談の上、最良の方法を決めます。

利用間伐

林道、作業道が林の中まで敷設してあり、運搬車両が入れる場合は伐った木材を運び出すことができます。
運び出した木材は市場、製材会社、チップ工場などに販売します。このように運び出し販売することができる間伐を「利用間伐」といい、材を一番有効的に活用でき、所有者の皆さまにも利益還元できます。
ただし搬出する木は質の悪い木だけでなく良材も伐採する必要があります。

切捨間伐

木がまだ若くて細いため材としての価値があまり見込めず、搬出するコストの方が高くなってしまう場合は、止むを得ずその場で伐採のみ行います。
木は将来的にも価値が上がりそうにない底質木を重点的に伐ります。これを「切捨間伐」といい、この場合、材は売ることができないため間伐する費用のみが発生します。

※実際には以上の複数の組み合わせにより行う場合もあります。

間伐後の精算はどのようになるのでしょう?

基本的には所有者には一切ご負担お掛けしません。
さらに利用間伐の場合は搬出した木の立木代分としての金額をお支払いします。
事業内容によって金額は変動します。

そのために弊社では「森林経営計画」を立案し、それに基づく補助金制度を活用しますが、所有者の皆さんと私どもでの「森林施業委託契約書」(5年間の森林の施業を弊社に委ねる契約書です)が必要になります。

※間伐に関する補助金制度には、いろんな制度があり、それにより補助額が異なります。詳しくは担当者にお問い合わせください。