マ行
マルバノキ (丸葉の木)
マンサク科:広葉樹(落葉)
写真では見事に赤いハート型に紅葉しています。別名ベニマンサクとも言い、きれいに色づくため庭園木や生け花の材料としても使われています。低木で2~3m程度ですが複数の幹が群れ立って生えるため特に紅葉の時期には目立ちます。
マンサク (満作)
マンサク科:広葉樹(落葉)
「豊年満作」という言葉にあるように大変めでたい名前なので店などでは商売繁盛を願ってか、春に咲くこの木の花を飾ったりするのを見ます。文字通り早春にはやや濃い目の黄色の花を枝中にびっしりと咲かせます。早春に黄色の花を咲かせるのはこの他、「コウヤミズキ」「アブラチャン」「ダンコウバイ」(いずれもこのホームページに出ています)などがありますが、その中では最も大きく成長し5~10m程度になります。
ミズキ (水木)
ミズキ科:広葉樹(落葉)
庭木として人気のあるヤマボウシ、ハナミズキなどもこの仲間です。ミズキの由来は春先に枝を切ると樹液がしたたるのでこの名があります。飛騨地方で木材関係者は「ミズクサ」と呼ぶことが多いようです。枝は規則的に輪生状(階段状)に伸ばすため、きれいな樹形になります。材はやや青みがかった淡白褐色でおとなしい感じがします。こけし、積み木など玩具に用いられます。
ミズナラ (水楢)
ブナ科:広葉樹(落葉)
里山の雑木林でもよく見かけるコナラと異なり、より海抜の高い森林にブナなどと一緒に生育しています。樹皮は一見、コナラとよく似ていますが、よく見るとコナラより皮が薄く剥がれやすいように見えます。葉もコナラのそれと異なり、葉縁の鋸歯(ギザギザ)が大きいこと、また葉柄(葉の付け根の軸)がほとんどないことで見分けられます。硬く重厚感があるため、フローリングなどの床材・家具などに使われます。かつてはヨーロッパなどにも高級材として輸出されていた歴史があります。またウイスキーの熟成樽用の材(ジャパニーズオーク)としても人気があります。
ミズメ (水目)
カバノキ科:広葉樹(落葉)
別名「アズサ」といい、今上天皇のお印(シンボルマーク)でもあります。材木屋さんは「ミズメザクラ」と呼ぶことがありますが、サクラの仲間ではなくカバノキ科です。樹皮もサクラにやや似ていますがサクラほど茶色くなく灰色をしています。それより良く似ているのがウダイカンバの樹皮です。見分けるには、ミズメの樹皮や枝を少し傷つけて匂いを嗅いでみると消炎鎮痛剤に使われるサロメチールの香りがするので一発でミズメとウダイカンバを区別できます。材は心材が淡い紅褐色、辺材は黄白色をしており緻密で高級材として用いられます。
ミツデカエデ (三出楓)
カエデ科:広葉樹(落葉)
メグスリノキと同様、3枚セットの葉をつけているので、山でこれを見かけた時、葉が高い所にあるとメグスリノキと間違えてしまうのですが、メグスリノキより全体にやや小さく、葉の先端側半分に粗い鋸歯が目立ち、厚さもやや薄い感じがします。この木もメグスリノキと同じく紅葉がみごとです。
ミツマタ (三叉)
ジンチョウゲ科:広葉樹(落葉)
文字通り枝が3つに分かれているのが特徴です。本来原産地は中国とのことですが、昔植えたものが生き残っていたのか、またはどこかで栽培されていたものが逃げ出して居座ったのか、繁殖力が強く、いたるところで自生しています。春先に見事な黄色の花を咲かせ、よく目立ちます。樹皮はご存知の通り、高級和紙の原料として使われます。
メグスリノキ (目薬ノ木)
カエデ科:広葉樹(落葉)
目薬としてこの樹皮を煎じたものが良いとされたことから名がつきました。カエデ科ではありますが、モミジ型の葉ではなく3枚セットの楕円形です。紅葉の時期以外はあまり特徴がないので注意していないと見落としそうな木ですが、紅葉はとてもきれいで、普通の木は「緑→黄→赤」もしくは「緑→黄」と変化するのが多いのですがこの木は「鮮緑→鮮赤」と変化し、周りの木を圧倒しそうです。
モミ (樅)
マツ科:針葉樹(常緑)
「モミ」というと、クリスマスツリーの木を連想するかもしれませんが、この木は日本特産で、当社山林でも天然林の中でよく見られます。樹形はクリスマスツリー型の円錐形で、きれいな形をしています。若い枝の葉は堅くて触ると痛いほどの棘状ですが成長とともに丸みを帯びた葉になってきます。材は全体に灰白色を呈しており、辺心材の境目ははっきりしませんが、中にはくっきりと分かれているものもあり、そのような材は嫌われがちです。軽軟なため加工性はありますが、強度はあまりよくなく、やや狂いやすい材質です。