ナ行
ナツツバキ (夏椿)
ツバキ科:広葉樹(落葉)
文字通り夏に花が咲くツバキで白い花を咲かせます。また葉は普通のツバキと違い秋には落葉します。樹皮が非常になめらかで斑らに薄く剥がれるので独特の模様となります。沙羅木(シャラノキ)と呼ぶこともありますが「沙羅双樹」とは全く別物の樹です。材は、樹皮の特徴を活かして床柱にしたり、彫刻に使われます。
ナナカマド (七竈)
バラ科:広葉樹(落葉)
「ナナカマド」「ダケカンバ」と言えば、紅葉の代名詞にもなっているほど秋になると鮮やかな紅色に色づきます。写真は低木ですが、15mほどのかなりの大木に生長します。「ナナカマド」は7回かまどに入れないと火をつけても燃えないことからこの名が付いたそうです。ぜひお試しください?
ヌルデ (塗手)
ウルシ科:広葉樹(落葉)
ウルシ科に属するようにヤマウルシそっくりですが葉と花で区別がつきます。ヌルデの葉の軸にはひれ状の翼葉があり、ヤマウルシにはそれがありません。またヌルデの花は夏の盛りを過ぎようとする頃白っぽい花を咲かせるのに対しヤマウルシは5~6月頃黄緑色のあまり目立たない花をつけます。葉に虫こぶができることが多く、ちょっと見た目は不気味です。
ネジキ (捩木)
ツツジ科:広葉樹(落葉)
名前を聞いただけでどんな木か想像がつきそうですが、樹形の写真に見られるように文字通り幹が捩れているのでこの名があります。山の尾根筋のようなところに見られ、標高の低いところからやや高いところまで分布しています。あまり大きくならず3~8m程度に成長すると図鑑などには書いてありますがこの写真の木は10m近くあり、大きい部類に入ります。
ネズコ(クロベ) 鼠子(黒檜)
ヒノキ科:針葉樹(常緑)
これも木曽五木(ヒノキ、ネズコ、サワラ、コウヤマキ、アスナロ)の一つですがこの地方(岐阜県飛騨南部)では標高の高い場所でしか見つけることはできません。木曽五木は江戸時代に木曽地方の山を管理していた尾張藩がヒノキの乱伐によりヒノキによく似た他の4種を含め「木一本、首一つ」(一本でも無断で伐採すれば処刑される)と言われるほど厳しく伐採を禁止された樹種です。ネズコもヒノキによく似ていますが、樹皮はヒノキより細かく裂けていて、葉もヒノキよりほっそりとしていておとなしい感じがします。ヒノキとサワラとアスナロの区別は葉裏の白い色をした気孔の形でよくわかりますが、ネズコはそれが葉と同じ緑色をしているため目立ちません。
ネムノキ (合歓)
マメ科:広葉樹(落葉)
オジギソウのように細かい葉が多数からなる偶数二回羽状複葉で左の写真は、これで1枚の葉です。夜は相対する小葉が閉じるため、この名があります。7月になると長い淡紅色の雄しべをたくさんもった、まるで刷毛のような花を頭上につけ、どことなくトロピカルなムードを漂わせます。材は、マメ科によく見られるような心材が濃褐色をしていますが、大きな板を取れるほど大径木にはならないようです。
ノリウツギ (糊空木)
ユキノシタ科:広葉樹(落葉)
アジサイの仲間に属し、樹高も2~4m位にしか成長せず、材木としてはほとんど価値がない木です。しかし6月の梅雨時期、山に入ると葉の上に向かって鮮やかな白い花を咲かせるため、小さいながらも存在感の強い木です。樹皮から和紙を漉くときに使う糊をとったのでこの名がつきました。林道の脇など日当たりの良い場所に生育します。