ア行

ウラジロノキ (裏白木)

バラ科:広葉樹(落葉)

字のごとく葉の裏が白いためこの名があります。材として使われることも少なく、また見た目にも特徴がないため一般にはあまり知られていない名前の木ですがこの近辺の山林に入ると意外と多く生育しています。葉はヤマハンノキとよく似ていますが鋸歯(ギザギザの部分)がヤマハンノキに比べ尖っていることや3枚がセットになっていることが多いので区別がつきます。5~6月頃に小さく密集して白い花が咲きサクラやウメのような5枚の花弁をつけます。同属のアズキナシとよく似ています。

樹皮

ウリノキ (瓜木)

ウリノキ科:広葉樹(落葉)

樹高3~4mぐらいの落葉低木で幹も太くなりません。特徴は20cmぐらいの大きな葉で瓜に似た、縦に浅い切れ込みがある形です。北海道から九州まで広く分布し、山林の沢すじなど湿ったところに多く見られます。

ウリハダカエデ (瓜膚楓)

カエデ科:広葉樹(落葉)

名の通り、若い時期の枝・幹の樹皮は緑がかっていて瓜の肌そっくりに見えます。しかし成長して大径木になるにつれ緑色は消え、左の写真のように灰色がかってきて瓜のような縦じまも薄くなってきます。葉は2カ所の切れ込みがあり、この樹であることを判別する有力な手段となります。イチョウなど樹木には雌雄が別になる木(雌雄異株といいます)がありますがこのカエデは年によって性転換して雌雄が入れ替わったり両性になったりする樹木です。材は色が白っぽく割れにくいため、こけしの材料として使われています。また他のカエデ材と同様、板にすると滑りにくいためフローリングにも適しています。

樹皮
幼木樹皮

ウワミズザクラ (上溝桜)

バラ科:広葉樹(落葉)

樹木全体の見た目も材も北海道に多いシウリザクラに似ています。方言で呼ぶことが多く、岐阜県では飛騨地方だけでも、「ホエビソ」「ホエブト」「ホイブト」など幾通りの呼び名があります。葉だけ見れば特徴がない樹木ですが、春になると葉が出た後、普通にイメージするサクラと違って白い小さな花(棒状にびっしり集合)を木全体に咲かせます。写真下はその果実で、熟した果実は香りのよい果実酒にされ人気があります。また新潟県では「アンニンゴ」と呼ばれる未熟の実を塩漬けにしたものを食用にされています。

エゴノキ (野茉莉)

エゴノキ科:広葉樹(落葉)

別名「チシャノキ」といいますがこの辺りでは「マンシャ」と呼ぶことが多いようです。高さ5~7mぐらいの小高木で森のあちらこちらで結構見られます。樹皮はサツマイモのようにやや紫かがった灰色で滑らかな肌をしています。5月半ば過ぎに白い花がびっしりと見られるので、「ああ、ここにマンシャがあったんだな。」と気付かせてくれます。花びらが5弁のかわいい花ですが、つぼみも小さい卵をいっぱいぶら下げているようでこれもなかなかです。
材としてはあまり太いものは期待できませんが、割れにくくかつ粘りが強いことから鎌などの柄に使われるそうですが、和傘の骨を支える部分の材料としても需要がありますが、岐阜県ではこれを供給できる人がいなくなってしまいました。

樹形
樹皮

エゾユズリハ (蝦夷譲葉)

トウダイグサ科:広葉樹(常緑)

この仲間に「ユズリハ」がありますが、「ユズリハ」は暖かい山地に15mぐらいまで成長するのに対し名前で連想できるように、より寒いところに分布しており、あまり大きくならないようで写真の木も2mぐらいです。常緑樹でも葉は生え変わります。この木も常緑樹で枝の先端につやつやした葉が車輪状に並んで生えていますが、春に若葉が出てくるとそれまでの古い葉は若葉に譲って落ちてしまいます。そんなところからネーミングされました。「ユズリハ」は葉が大きく20cmぐらいありますが、これはやや小さく10~15cm程度です。

樹形

エノキ(榎)

ニレ科:広葉樹(落葉)

山に自然に生育しているものはあまり見つかりませんが、街路樹、とりわけ江戸時代からの名残がある街道であれば一里塚として植えられたもの(織田信長が安土城を居城にした時に京都から安土まで一里塚を整備したのが始まり)を見ることができます。幹の樹皮ははとても滑らかで枝を大きく横に広げ木陰を作るため当時は良い休憩所になったのでしょう。「木」偏に「夏」と書くのもそのせいかもしれません。材は灰色を帯びておりケヤキの代用品として使われる程度ですが、鍬や釜の柄(え)に使われたため「エノキ」という名前になったという説があります。日本の国蝶オオムラサキの幼虫はこの葉を大好物(食料)としています。

樹皮
一里塚
オオムラサキ

エンジュ (槐)

マメ科:広葉樹(落葉)

通常「エンジュ」と呼んでいるのは「イヌエンジュ」で、本来の「エンジュ」は中国が原産で奈良時代に薬用として日本に持ち込まれました。「延寿」と同じ発音のため、おめでたい木として庭園などに記念樹として植えることもあります。 辺材・心材の区別が非常にはっきりしていて、磨くと杢目がくっきりと現れ、つやの出てくる材質です。かなり重い木で加工がむずかしい木ですが、ねばりが強く、耐朽性も大きい材です。 用途としては、床柱、家具、器具、細工物、彫刻、工具の柄などに用いられています。蓄積量が極めて少なく、貴重な材です。

切断目

オオカメノキ (大亀木)

スイカズラ科:広葉樹(落葉)

5月頃、標高の高い所(海抜1,000mぐらい)で白い花が水平に並んで咲いていたらこの木かもしれません。葉に特徴があり、側脈(樹木用語説明を見てください)など葉脈が深いので皺が良く目立ちます。高さ3~4mになる落葉低木で葉が亀の甲羅に似ている(?)ので「オオカメノキ」となったそうですが、虫によく食われることから「ムシカリ」の別名もあります。非常によく似た木に「ヤブデマリ(藪手毬)」がありますが見られる場所が異なり、かなり低い山地でも見られます。また、どちらも白いニセモノの花(受粉してくれる虫へのPR)とその中心にあるホンモノの黄色っぽい花が見られますが、雰囲気も違っていて「オオカメノキ」のほうがやさしい感じがします。

花葉

オオモミジ (大紅葉)

カエデ科:広葉樹(落葉)

イロハモミジと同様、典型的なモミジの葉の形をしていますが、サイズはやや大きめです。オオモミジもカエデ科ですが、「カエデ」とは葉の形が「蛙手」に似ていることが語源とのこと。
太平洋側の山地の谷沿いなどに多く分布しています。材は、他のカエデ科と同様、緻密で硬く割れにくいのが特徴です。

樹皮

オニグルミ (鬼胡桃)

クルミ科:広葉樹(落葉)

実も葉もない季節は枝の先端に猿にも羊にも見える愛嬌のある冬芽を見ることができます。川や谷など湿った所に多く生育しています。オニグルミの実は食用として販売されているクルミに比べて形がとがっている上にとても堅く割りにくいのですが味はよく、またこのクルミ油は家具などの手入れ用として使っても優れたオイルです。材は狂いや割れが少なく軽軟なため家具などに使われます。また同じクルミ材である外材のブラックウォールナットに比べると扱いやすいようです。
軽くて衝撃を吸収する特質を持つため銃の台座として最適材とされています。

樹皮
冬芽