カ行

カキ(柿)

カキノキ科:広葉樹(落葉)

ゴルフクラブのドライバーはチタン製など金属製のヘッドが現在は主流なのになぜ「ウッド」と呼ぶのでしょう?若いゴルファーの方はもうほとんど使われたことはないでしょうが以前は米国産の柿である「パーシモン」が使われていました。日本では「カキ」と言えば食用としての利用が主で、富有柿は岐阜県瑞穂市が発祥の地と言われています。山中にも極まれに生えているのを見ることがあります。ふつうのカキノキは材的にはあまり価値はありませんが、まれに材の中のタンニンと土中の鉄分が反応して黒い縞模様ができたものを「クロガキ」と呼び超高級材となります。

クロガキ
パーシモンヘッド

カシ

ブナ科:広葉樹(常緑)

カシにもアカガシやシラカシ、イチイガシなど多くの種類(日本には約10種類)がありますがここでは「カシ」と呼ばれるものを総称してご紹介します。
「ドングリ」という名の樹はなく、ブナ科のほとんどの種類はドングリを実らせます。カシもブナ科に属しますのでドングリのなる樹の一種です。また、よく誤解されるのは、「カシ」は英語では「オーク」と訳されることが多いのですが実際はミズナラがそれに当ります。材はやや赤味のある淡い灰褐色をしており、「木」偏に「堅い」という字のごとく、非常に硬く重厚な材質で、「森の響」のサンプル板はシラカシですが40種類中で最も重い樹です。

カスミザクラ (霞桜)

バラ科:広葉樹(落葉)

普普通のサクラ(ソメイヨシノ、ヤマザクラなど)が咲き終わった頃に白い花を咲かせます。葉柄や花柄に毛が多いため別名「ケヤマザクラ」とも呼ばれます。文字通り「霞」のようにあまり目立たないのでよく見られるわりには見落としがちな木です。20m以上の高木になり、この写真でも15m以上あります。

カツラ (桂)

カツラ科:広葉樹(落葉)

根元から1本の幹にならず株立ちすることが多く、30m以上もの大きな木になることがあるため森の中でもよく目立ちます。その雄雄しい幹に比べ、丸いハート型のかわいらしい葉をつけます。この葉が落葉を迎える時は甘い独特の香りがするので、香りが出る=「香出る(かづる)」が名前の由来とされています。「桂」という字は中国では月桂樹や桂花(キンモクセイ)のように香りを発する樹に使われたため、漢字が日本に伝わった時にこの香りのよい樹に「桂」の字を当てたと言われています。東北地方では「お香の木(オコウノキ)」と呼ばれることもあるそうです。
材の色が濃い目に出るものとそうでないものがあり、前者を「ヒガツラ」、後者を「アオガツラ」と呼び「ヒガツラ」の方が良材とされています。

木口
樹皮

カナクギノキ (鐵釘木)

クスノキ科:広葉樹(落葉)

名前は、材が金釘のように硬く、樹皮も錆びたように赤みを帯びていることからきているようですが、一説には鹿の子の模様(バンビの背中の模様)が樹皮の模様と似ていることから「鹿の子木(カノコギ)」が訛ったものというのもあります。いずれにしても釘の代用になるわけではありません。西日本の暖温帯に多く見られる木ですが。下呂(金山)付近は暖温帯と冷温帯の境界にあるため、しばしば見ることがあります。

樹皮
木口

ガマズミ

スイカヅラ科:広葉樹(落葉)

林道を走っていると5月頃、乳白色の小さな花がびっしりかたまってひとつの大きな花のように見えます。秋10月中頃には赤い南天のような実がたくさん付いていて、この年2回が「ガマズミ」を目立たせる時期でもあります。丸くて鋸歯が目立ち両面に細かい毛が生えた葉を持つこの「ガマズミ」ですが、これまたよく似た「コバノガマズミ」があります。こちらはどちらかというと西日本に多い種で、葉が「コバ(小葉)」というより細長いのが特徴です。ところが今回写真に撮った場所では偶然にも30mほど離れた場所で「コバノガマズミ」を見つけました。「ガマズミ」は北海道から九州まで分布し、山では普通にみられる3m程度の落葉樹です。

カヤ (榧)

イチイ科:針葉樹(常緑)

岐阜県の木はイチイです。このカヤもイチイ科で、当社の山林ではまれに見られますが、あまり太いカヤが見当たらず、国内でも大径木はほとんど見当たらなくなりました。樹皮は灰色を帯びた褐色で縦に浅い裂け目があります。葉はモミ同様、先端が尖っているため触るとチクチクします。材は、黄色がかっており強度もある一方加工性もいいようです。高級な碁盤に利用されるのが有名ですが、水、湿気に強いため水廻りなどに利用されます。

碁盤

カラスザンショウ (烏山椒)

ミカン科:広葉樹(落葉)

馴染みのない名前の木かもしれませんが野山にふつうに見られる樹木で高さも10m以上の高木になり、葉もサンショウに比べはるかに大型です。懐石料理などに薬味や色取りとして使われるサンショウの葉(木の芽)ほど香りは良くはありません。この実をカラスが好んで食べるので「カラスザンショウ」と名付けられたそうです。(あまりそのような光景は見たことはありませんが・・・。)幼木や枝には鋭いトゲがありますが,生長するにつれ幹表面にはその跡にイボ状の模様が残ります。

樹皮

カラマツ (唐松)

マツ科:針葉樹(落葉)

岐阜県飛騨北部地方以北では大規模に植林が行われていますが、当地方(飛騨南部)付近ではほとんど植林されていないため、当社山林ではごくまれにしか見られません。マツ科の針葉樹ですが秋になると黄色くなり落葉するため「落葉松」と書くこともあります。構造材など用途の広い材ですが、林齢の若い材の場合は特に乾燥時にねじれやすく注意が必要です。

樹皮

キハダ (黄膚)

ミカン科:広葉樹(落葉)

1つの葉が9~13枚の小葉からなる葉(奇数羽状複葉)をもっています。コルク質の厚い鬼皮を剥ぐと、名前の通り鮮やかな黄色の厚い内皮が出てきます。この黄色の内皮は舐めると非常に苦くベルベリンという成分を含んでおり、これから漢方胃腸薬を作ることができるため栽培しているところもあります。夏の土用の頃がこの樹皮を剥ぐのが容易な時期と言われます。ミカン科というとそれほどの大木をイメージできませんが、キハダは大きいもので樹高25mぐらい、幹の直径も60cm以上になります。材は肌目が粗く黄味がかった褐色をしており経年変化で褐色が強くなってきます。非常に軽く軟らかいのに水湿に強い材です。

樹皮
裏樹皮
木口

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