カ行
コナラ (小楢)
ブナ科:広葉樹(落葉)
里山でごく普通に見られ、私たちには最も身近な広葉樹でドングリがなります。樹の大きさではなく葉が小さいためコナラと呼ぶようで、樹は大きなものでは直径1m近くになるものもあります。
材は重く硬いため燃料にすると火持ちが良く、また樹齢30~40年生ぐらいまでは伐採してもその根株から芽が出て再生する(萌芽更新ーぼうがこうしん)ため、昔から薪炭材として利用されてきました。最近は薪ストーブに最適の薪として人気があります。優良なものはナラの家具材として使われることもありますが、乾燥時に狂いや割れが出やすく、あくまでもミズナラの代用品のようです。
コバノミツバツツジ (小葉三葉躑躅)
ツツジ科:広葉樹(落葉)
松林など痩せた山地のふもとなど身近なところで見られ、4月頃にきれいな紫色の花をつけます。ミツバツツジの仲間は多いのですが、それぞれに日本での勢力範囲が違うようで、この写真は西日本(長野県以西)に多い「コバノミツバツツジ」と思われます。ただし当地方は「トウゴクミツバツツジ」の分布(東北~近畿)とも重なっており区別するには容易ではありません。前者は葉が出るより先に花が咲くものと思っていましたが、葉と同時ぐらいに咲くのもあるようで、後者と区別するには花の中の雌しべまで見なければなりません。雌しべの下半分に毛が生えているのが後者の「トウゴクミツバツツジ」、毛が生えていないのが「コバノミツバツツジ」です。
コブシ (辛夷)
モクレン科:広葉樹(落葉)
モクレンの仲間なので花もよく似ています。3月末から4月初め頃、山で新緑が芽吹く前に一斉に花が咲きますが年によって目立ち方が大きく異なり、花が一杯の年は田畑が豊作になると言われていました。昔、田植えの準備はコブシの花が山を覆う頃に始めたと言われます。まだ新緑が出ていない山肌にはこの花はかなり目立つため、豊作の祈りを込めながらこれを豊凶の指標の一つにしたのではないでしょうか。ただし下呂市周辺の山では正確にはコブシではなく、コブシの仲間のタムシバという名の木が大半を占めています。 名の由来はデコボコした握りこぶし状の実がなるためコブシという名になったと言われています。ここ岐阜県金山町から岐阜県関市までの約40kmの県道関金山線には、このコブシが数多く植えられ、「平成コブシ街道」と名付けられています。
ゴンズイ (権萃)
ミツバウツギ科:広葉樹(落葉)
ふもとの雑木林のような所に多く見られる、樹高5~6mの小高木です。写真を撮影した日は曇りがちのやや暗い日だったので樹皮が白っぽく見えますが本来は黒っぽい色で縦に白い模様があります。名前の由来は魚のゴンズイに似てどちらも役に立たないから付いたそうで、地方名も「ショーベン」とか「クソ」が付いた名前が多く、人間からはとても嫌われ、かわいそうな木ですが、実に特徴があり、鮮やかな赤色の果皮に黒っぽい実を10月頃に付けるため庭園木に使われることもあります。