タ行
トチ (栃)
トチノキ科:広葉樹(落葉)
大きな掌状の葉に特徴があり、葉を見ていればすぐに見つけられる樹で、ヨーロッパで街路樹として植えられるマロニエはこのトチの仲間です。実(種子)は大きく愛嬌のある形をしていますが、アクが強く、そのままではとても食べられません。先人は手間ひまをかけてそのアクを抜く方法を見つけ餅に入れるなど食用に利用してきました。そのような意味で私たち日本人にはとてもなじみの深い木です。材は淡い紅色を帯びた白褐色をしており、光沢があって非常にきめが細かくシルキーな感じで女性的なイメージを与えます。とても大きく太く成長する樹で独特な杢(モク)が出たものは高級材として1枚のテーブル天板などに利用することがあります。
ドロノキ (白楊)
ヤナギ科:広葉樹(落葉)
材質が軟らかいためこの名があります。別名を「ドロヤナギ」といい、漢字表記の「楊」という字もヤナギのことを表します。本州中部以北の谷沿いなど湿った場所に生育し、幼木時期は樹皮に横に菱形の模様が現れ、大木になるにつれ縦に深い裂け目が現れるようになります。材はとても軽く、屋外での耐久性がないため用途としてはマッチの軸や箱材などに使われます。かつて同属の「ヤマナラシ」の材は昭和初期の91式戦闘機の翼の一部にも集成材にして使われたことがあります。